管絃におけるリズム周期の概略

管絃のフレーズ構造を分類するには、二つの基準がある。1)1小節内の拍数と2)1リズムパターンを形成する小節数である。一小節の拍数においては「早」と「延」という区別がある。「早拍子」は1小節4拍、「延拍子」は1小節8拍から成る。結果として、「延」の1小節は「早」の二倍の長さになる。ごく少数の曲は2拍+4拍、または2拍+3拍の組み合わせとなる。前者を「早只拍子」、後者を「夜多良拍子」と言う。リズムパターンを形成する小節数には、「四拍子」「六拍子」「八拍子」の別がある。

最も大事なアクセントの太鼓は、フレーズの真ん中あたりで打たれる(>で示した)。このアクセントは、鞨鼓、鉦鼓、太鼓の雄桴(右手の強い打音)が同時に打たれる。

 

 

 

 

早拍子のフレーズ構造

1

 

 

 

 

延拍子のフレーズ構造

2

 

 

雄桴がリズムサイクルの真ん中あたりで打たれるのに、このことが演奏家たちにはあまり認識されていないということは強調されるべきである。それどころか、演奏家の何人かは雄桴をリズムサイクルの最初と感じている。というのも、それに先行する数小節は、最初の雄桴の前の長いアウフタクトのように感じられているからである。一方、同じ楽団の別の音楽家は、雄桴は、リズムサイクルの最後の小節の第一拍と言う。しかし、雄桴に関するこのような異なる知覚は、音楽自体やその解釈にまったく影響しない。むしろ、異なる解釈の方向を許容している。つまり、雄桴に関する二通りの言及の仕方を発見したので、構造上の位置と音楽家たちの認識について述べようと思ったのである。次の三つの例は、同じ楽曲から、雄桴の異なる概念を示すものである。

 

雄桴を中心に置いた構造

1

雄桴を最初の小節に持って来た場合

2

雄桴を最後の小節に持って来た場合

3